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事務所だより 平成29年12月号
先月の続報ですが、政府は「日本にとって、最大の損失は、業績の良い会社が廃業してしまうこと」として、事業承継税制による税の減免要件を来年度大幅に緩和する予定です。
現制度のネックは5年間雇用の8割維持です。
中小企業では従業員が2割減ってしまうような業績不振が起きる可能性は十分ありますし、そうなった場合、猶予された税金は利息を付けて納付しなければなりません。 来年度はこの雇用要件が撤廃される見込みです。
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆平成29年12月の税務
◆会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策
◆平成29年度地域別最低賃金
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◆平成29年12月の税務
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12/11
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収額(当年6月〜11月分)の納付
1/4
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の 1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○給与所得の年末調整
○給与所得者の保険料控除申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付
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◆会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策
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◆会社分割を利用して貸付金の整理
平成29年の税制改正で分割型分割の適格要件が一部緩和されました。その内容 はこうです。
単独新設分割型分割にあっては、分割後の株式の保有関係は、分割後にその同 一の者と分割承継法人との間にその同一の者による完全支配関係(支配関係含む )が継続することで足り、分割後のその同一の者と分割法人との間の完全支配関 係の継続が不要とされました。
そこで、改正後の単独新設分割型分割を利用して創業者の会社貸付金の整理を 試みてみます。
◆同族会社と同一の者
この「同一の者」は、親族が単位となりますので、同族会社の場合、親族で株 式を保有している例が殆どだと思われますので、いわゆる、会社と同一の者によ る完全支配関係が成立します。適格要件は満たします。
例えば、甲社は、創業者60%、配偶者10%、子30%の割合で株式を保有されて いたとします。
この場合、甲社は、「同一の者」による完全支配の関係にありま す。
◆創業者の貸付金の整理
具体的な手続きはここからです。
甲社は、創業者からの借入金6千万円があり 、債務超過でその返済も不能の状態にありますが、現在、事業は縮小しながらも 継続して営んでいます。
ここで、甲社は分割法人となり、継続している事業を新設分割により乙社分割 承継法人に承継させ、その後、甲社を解散・清算することにしますが、改正後は 、同一の者と甲社分割法人との完全支配関係の継続が要件とされませんので、適 格要件は満たしており、それは可能と考えます。
甲社は清算の段階で、創業者から6千万円相当額の債務免除を受け、その免除 益が計上されることになりますが、既に甲社には残余財産がありませんので、原 則として、期限切れ欠損金の利用により、甲社に債務免除益による課税は生じま せん。
結果として、創業者の会社への貸付金6千万円相当は相続財産から消えます。
但し、創業者の債務免除により当該者から他の株主への「みなし贈与課税」が 生ずる余地はあるかもしれません。
なお、この改正は、平成29年10月1日以後に行われる分割から適用されます。
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◆平成29年度地域別最低賃金
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◆最低賃金引き上げ額平均25円で過去最大>
平成29年地域別最低賃金改定額は中央最低賃金審議会で賃上げ額の目安が公表 され、各都道府県労働局長の決定により10月1日より順次発令されます。
改定額を見ていくとAランクの6都道府県は目安通り26円引き上げられ、東京 、神奈川に続き大阪も900円を超えました。
Bランクの11府県も目安通り25円引 き上げられ、三重、広島、滋賀、栃木の4県が新たに800円以上。
一方Cランクは 新潟が目安より1円高い25円の引き上げ。
他の13道県は目安通り24円の引き上げ で、北海道と岐阜が新たに800円台に乗せました。
Dランクでは鳥取、宮崎、沖 縄が目安より1円高い23円の引き上げで、高知、沖縄と福岡を除く九州6県が737 円で並びました。
◆平成35年度には1000円まで引き上げ?
最低賃金は近年引き上げの流れが続いていて、時給額のみで表示されるように なった平成14年度には全国加重平均額は663円でしたが、昨年度に初めて800円を 超えました。
政府は全国加重平均で最低賃金3%程度引き上げ1000円を目指して おり、このままですと平成35年度には1000円に達する事になり、中小企業には重 い負担となってきます。
平成29年の改定額は以下の通りです。
A.26円改定
東京 958円 大阪 909円 愛知 871円 千葉 868円
神奈川956円 埼玉 871円
B.25円改定
茨城 796円 京都 856円 静岡 832円 三重 820円
滋賀 813円 栃木 800円 長野 795円 富山 795円
広島 818円 兵庫 844円 山梨 784円
C.24円改定
北海道810円 宮城 772円 群馬 783円 新潟 778円
石川 781円 福井 778円 岐阜 800円 奈良 786円
和歌山777円 岡山 781円 山口 777円 徳島 740円
香川 766円 福岡 789円
D.22円、23円改定
青森 738円 秋田 738円 岩手 738円 山形 739円
福島 748円 愛媛 739円 高知 737円 島根 740円
鳥取 738円 長崎 737円 佐賀 737円 熊本 737円
大分 737円 宮崎 737円 鹿児島737円 沖縄 737円
中小企業では従業員が2割減ってしまうような業績不振が起きる可能性は十分ありますし、そうなった場合、猶予された税金は利息を付けて納付しなければなりません。 来年度はこの雇用要件が撤廃される見込みです。
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆平成29年12月の税務
◆会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策
◆平成29年度地域別最低賃金
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◆平成29年12月の税務
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12/11
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収額(当年6月〜11月分)の納付
1/4
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の 1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○給与所得の年末調整
○給与所得者の保険料控除申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付
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◆会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策
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◆会社分割を利用して貸付金の整理
平成29年の税制改正で分割型分割の適格要件が一部緩和されました。その内容 はこうです。
単独新設分割型分割にあっては、分割後の株式の保有関係は、分割後にその同 一の者と分割承継法人との間にその同一の者による完全支配関係(支配関係含む )が継続することで足り、分割後のその同一の者と分割法人との間の完全支配関 係の継続が不要とされました。
そこで、改正後の単独新設分割型分割を利用して創業者の会社貸付金の整理を 試みてみます。
◆同族会社と同一の者
この「同一の者」は、親族が単位となりますので、同族会社の場合、親族で株 式を保有している例が殆どだと思われますので、いわゆる、会社と同一の者によ る完全支配関係が成立します。適格要件は満たします。
例えば、甲社は、創業者60%、配偶者10%、子30%の割合で株式を保有されて いたとします。
この場合、甲社は、「同一の者」による完全支配の関係にありま す。
◆創業者の貸付金の整理
具体的な手続きはここからです。
甲社は、創業者からの借入金6千万円があり 、債務超過でその返済も不能の状態にありますが、現在、事業は縮小しながらも 継続して営んでいます。
ここで、甲社は分割法人となり、継続している事業を新設分割により乙社分割 承継法人に承継させ、その後、甲社を解散・清算することにしますが、改正後は 、同一の者と甲社分割法人との完全支配関係の継続が要件とされませんので、適 格要件は満たしており、それは可能と考えます。
甲社は清算の段階で、創業者から6千万円相当額の債務免除を受け、その免除 益が計上されることになりますが、既に甲社には残余財産がありませんので、原 則として、期限切れ欠損金の利用により、甲社に債務免除益による課税は生じま せん。
結果として、創業者の会社への貸付金6千万円相当は相続財産から消えます。
但し、創業者の債務免除により当該者から他の株主への「みなし贈与課税」が 生ずる余地はあるかもしれません。
なお、この改正は、平成29年10月1日以後に行われる分割から適用されます。
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◆平成29年度地域別最低賃金
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◆最低賃金引き上げ額平均25円で過去最大>
平成29年地域別最低賃金改定額は中央最低賃金審議会で賃上げ額の目安が公表 され、各都道府県労働局長の決定により10月1日より順次発令されます。
改定額を見ていくとAランクの6都道府県は目安通り26円引き上げられ、東京 、神奈川に続き大阪も900円を超えました。
Bランクの11府県も目安通り25円引 き上げられ、三重、広島、滋賀、栃木の4県が新たに800円以上。
一方Cランクは 新潟が目安より1円高い25円の引き上げ。
他の13道県は目安通り24円の引き上げ で、北海道と岐阜が新たに800円台に乗せました。
Dランクでは鳥取、宮崎、沖 縄が目安より1円高い23円の引き上げで、高知、沖縄と福岡を除く九州6県が737 円で並びました。
◆平成35年度には1000円まで引き上げ?
最低賃金は近年引き上げの流れが続いていて、時給額のみで表示されるように なった平成14年度には全国加重平均額は663円でしたが、昨年度に初めて800円を 超えました。
政府は全国加重平均で最低賃金3%程度引き上げ1000円を目指して おり、このままですと平成35年度には1000円に達する事になり、中小企業には重 い負担となってきます。
平成29年の改定額は以下の通りです。
A.26円改定
東京 958円 大阪 909円 愛知 871円 千葉 868円
神奈川956円 埼玉 871円
B.25円改定
茨城 796円 京都 856円 静岡 832円 三重 820円
滋賀 813円 栃木 800円 長野 795円 富山 795円
広島 818円 兵庫 844円 山梨 784円
C.24円改定
北海道810円 宮城 772円 群馬 783円 新潟 778円
石川 781円 福井 778円 岐阜 800円 奈良 786円
和歌山777円 岡山 781円 山口 777円 徳島 740円
香川 766円 福岡 789円
D.22円、23円改定
青森 738円 秋田 738円 岩手 738円 山形 739円
福島 748円 愛媛 739円 高知 737円 島根 740円
鳥取 738円 長崎 737円 佐賀 737円 熊本 737円
大分 737円 宮崎 737円 鹿児島737円 沖縄 737円
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