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事務所だより 平成27年12月号
GDPが2四半期連続のマイナスでした。通常これは景気後退期に入ったことを
意味します。
特に足を引っ張ったのは大企業の設備投資の減少です。
安倍政権が 行っている円安と大企業優遇政策では大企業が肥えるだけで景気は良くならない と言うことがはっきりし政策の転換が急務です。
景気は良くないのになぜ株高? それは、日銀と年金資金による日経平均への影響の大きい一部株式の買い支えに よる国民への目くらましなのです。
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆平成27年12月の税務
◆ストレスチェック制度企業の対応
◆相続で取得した資産 その耐用年数
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◆平成27年12月の税務
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12/10
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収額(当年6月〜11月分)の納付
1/4
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の 1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
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○給与所得の年末調整
○給与所得者の保険料控除申告書・住宅取得控除申告書の提出
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付
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◆ストレスチェック制度企業の対応
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2015年12月からストレスチェックの実施が企業に義務づけられる事になりまし たが何をする事になるのでしょうか。
ストレスチェックは労働者50人以上の事業場において1年に1度以上、実施を しなければなりません(50人未満事業場は当分の間努力義務)。
職業性ストレス 簡易調査票等を使い一般健康診断の対象者と同じく常時使用する労働者を対象に 行う事になっています。
実施に当たっては事業者自ら行う事はできず、産業医、 保健師、研修を受けた看護師等に委託する必要があります。
◆ストレスチェックの意義
ストレスチェックの結果は産業医から直接本人に通知され、一定の要件に該当 した労働者から申し出があった場合には医師の面談指導が行われ、必要に応じた 就業上の措置を講じる事も事業者の義務になっています。
企業の実施義務はある ものの労働者に受検の義務はないとされています。
これは既にメンタルヘルス不 調で治療をしている者にとっては精神的負担になることもあると考えられたから です。
労働者側からストレスチェックのその結果による不利益な取り扱いや、精神疾 患があると診断されてしまう事への不安の声も聞きます。
しかしこれは労働者自 身のストレスへの気づきを促し、職場環境改善につなげると言う一次予防的意味 合いを持った制度と言われています。
もちろん不利益な取り扱いは禁止されてい ます。
◆制度を有効に活用したい
ストレスチェックが義務だからと言うより労働者には受検する意義や本来の目 的を実施の前に説明すべきでしょう。
企業は面接指導者の意見を聴き必要に応じた就業上の措置を講じる事が求めら れますが、事業場外の医師が職場の事情までを考えた意見を述べるのは難しい場 合もあるでしょう。
元々50人以上の従業員がいる事業場において産業医の選任が義務づけられてい るとは言え、形式的に受検させても時間も費用も労力も有効には生きません。
実 施する以上は産業医との連携を深め就業上の措置を行なったり、又医師以外の専 門家等も利用して職場環境改善を促したりしてこそ意義があると言えましょう。
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◆相続で取得した資産 その耐用年数
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相続で取得した減価償却資産は、特殊な事例を除いて殆どが中古資産です。
こ の中古資産について、取得価額について明文の規定はありますが、耐用年数につ いては規定がありません。
そこで、減価償却資産の耐用年数等に関する定めを適用して算出した耐用年数 、いわゆる中古資産を取得した場合の簡便法(当該資産の法定耐用年数から経過 年数を控除した年数に経過年数の2割に相当する年数を加算したもの)が適用で きるかどうかです。
結論は、「相続により取得した減価償却資産には中古資産の耐用年数の簡便法 は適用できない」です。
高裁まで争われましたが、その論拠は次の(1)、(2 )です。
(1)取得日及び取得価額の引継ぎ規定
譲渡所得の計算において、相続・贈与等で取得した資産を譲渡した場合には、 その者が引続き当該資産を所有していたものとみなす、とする「取得日の引継ぎ 」規定があること。
それと平仄を合わせるように、相続・贈与等で取得した減価償却資産の取得価 額についても、その者が引続き所有していたものとみなした場合における当該減 価償却資産に所定の償却に関する規定を適用して算出された場合の取得価額に相 当する金額、とする規定があること。
そして、これらの規定の趣旨を勘案すると、取得価額のみならず、償却費の計 算に当たり必要となる耐用年数及び残存価額も前所有者から取得者に引継がれる と解すべきであるとしています。
(2)耐用年数簡便法の適用場面
中古資産を取得した場合の耐用年数簡便法の適用趣旨は、中古資産によって経 過年数も様々で、これに一律の耐用年数を設定することは無理であることから特 別に定めた規定であり、中古資産を取得した時点における取得価額を当該取得後 における使用可能期間等に償却費として配分するために設けられた規定であるこ と。
そして、相続等により取得した減価償却資産については、取得者は前者の新品 としての取得価額を引継ぐことになり、この取得価額に対して通常の法定耐用年 数が適用されるのであって、相続等による取得の時点で取得価額が発生すること はないから、簡便法の適用の余地はないとしています。
特に足を引っ張ったのは大企業の設備投資の減少です。
安倍政権が 行っている円安と大企業優遇政策では大企業が肥えるだけで景気は良くならない と言うことがはっきりし政策の転換が急務です。
景気は良くないのになぜ株高? それは、日銀と年金資金による日経平均への影響の大きい一部株式の買い支えに よる国民への目くらましなのです。
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆平成27年12月の税務
◆ストレスチェック制度企業の対応
◆相続で取得した資産 その耐用年数
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◆平成27年12月の税務
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12/10
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収額(当年6月〜11月分)の納付
1/4
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の 1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
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○給与所得の年末調整
○給与所得者の保険料控除申告書・住宅取得控除申告書の提出
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付
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◆ストレスチェック制度企業の対応
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2015年12月からストレスチェックの実施が企業に義務づけられる事になりまし たが何をする事になるのでしょうか。
ストレスチェックは労働者50人以上の事業場において1年に1度以上、実施を しなければなりません(50人未満事業場は当分の間努力義務)。
職業性ストレス 簡易調査票等を使い一般健康診断の対象者と同じく常時使用する労働者を対象に 行う事になっています。
実施に当たっては事業者自ら行う事はできず、産業医、 保健師、研修を受けた看護師等に委託する必要があります。
◆ストレスチェックの意義
ストレスチェックの結果は産業医から直接本人に通知され、一定の要件に該当 した労働者から申し出があった場合には医師の面談指導が行われ、必要に応じた 就業上の措置を講じる事も事業者の義務になっています。
企業の実施義務はある ものの労働者に受検の義務はないとされています。
これは既にメンタルヘルス不 調で治療をしている者にとっては精神的負担になることもあると考えられたから です。
労働者側からストレスチェックのその結果による不利益な取り扱いや、精神疾 患があると診断されてしまう事への不安の声も聞きます。
しかしこれは労働者自 身のストレスへの気づきを促し、職場環境改善につなげると言う一次予防的意味 合いを持った制度と言われています。
もちろん不利益な取り扱いは禁止されてい ます。
◆制度を有効に活用したい
ストレスチェックが義務だからと言うより労働者には受検する意義や本来の目 的を実施の前に説明すべきでしょう。
企業は面接指導者の意見を聴き必要に応じた就業上の措置を講じる事が求めら れますが、事業場外の医師が職場の事情までを考えた意見を述べるのは難しい場 合もあるでしょう。
元々50人以上の従業員がいる事業場において産業医の選任が義務づけられてい るとは言え、形式的に受検させても時間も費用も労力も有効には生きません。
実 施する以上は産業医との連携を深め就業上の措置を行なったり、又医師以外の専 門家等も利用して職場環境改善を促したりしてこそ意義があると言えましょう。
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◆相続で取得した資産 その耐用年数
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相続で取得した減価償却資産は、特殊な事例を除いて殆どが中古資産です。
こ の中古資産について、取得価額について明文の規定はありますが、耐用年数につ いては規定がありません。
そこで、減価償却資産の耐用年数等に関する定めを適用して算出した耐用年数 、いわゆる中古資産を取得した場合の簡便法(当該資産の法定耐用年数から経過 年数を控除した年数に経過年数の2割に相当する年数を加算したもの)が適用で きるかどうかです。
結論は、「相続により取得した減価償却資産には中古資産の耐用年数の簡便法 は適用できない」です。
高裁まで争われましたが、その論拠は次の(1)、(2 )です。
(1)取得日及び取得価額の引継ぎ規定
譲渡所得の計算において、相続・贈与等で取得した資産を譲渡した場合には、 その者が引続き当該資産を所有していたものとみなす、とする「取得日の引継ぎ 」規定があること。
それと平仄を合わせるように、相続・贈与等で取得した減価償却資産の取得価 額についても、その者が引続き所有していたものとみなした場合における当該減 価償却資産に所定の償却に関する規定を適用して算出された場合の取得価額に相 当する金額、とする規定があること。
そして、これらの規定の趣旨を勘案すると、取得価額のみならず、償却費の計 算に当たり必要となる耐用年数及び残存価額も前所有者から取得者に引継がれる と解すべきであるとしています。
(2)耐用年数簡便法の適用場面
中古資産を取得した場合の耐用年数簡便法の適用趣旨は、中古資産によって経 過年数も様々で、これに一律の耐用年数を設定することは無理であることから特 別に定めた規定であり、中古資産を取得した時点における取得価額を当該取得後 における使用可能期間等に償却費として配分するために設けられた規定であるこ と。
そして、相続等により取得した減価償却資産については、取得者は前者の新品 としての取得価額を引継ぐことになり、この取得価額に対して通常の法定耐用年 数が適用されるのであって、相続等による取得の時点で取得価額が発生すること はないから、簡便法の適用の余地はないとしています。
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