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事務所だより 平成25年10月号

 今年の税制改正で、平成27年から相続税の課税最低限が40%減額されました。
例えば夫婦と子供二人の世帯で相続が発生した場合、課税財産4,800万円以上で 申告が必要となります。
これにより、現在は年間約45,000件の申告件数が倍にな ると予想され、注目を集めています。
弊社では11月14日午後2時より、相続税の節税戦略に関する研修会を開催します 。
会費は無料です。参加をご希望の方は弊社までご連絡ください。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆平成25年10月の税務
◆10万円20万円30万円に注目 資産の減価償却費計上の注意点
◆要件が緩和された税制 非上場株式等の事業承継

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◆平成25年10月の税務
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10/10
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

10/15
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知

10/31
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分) <消費税・地方消費税>

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○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)

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◆10万円20万円30万円に注目 資産の減価償却費計上の注意点
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◆経費処理方法のおさらい
 「〇〇を今度購入しますが経費処理できますか?」とよく聞かれます。その際には、「購入金額はいくらですか?」「見積書をみせてください」と資料の提出を求めます。
それは、減価償却資産をイメージして、その取得価額・資産の種類及び耐用年数によってその取扱いが違うからです。
特に30万円未満の減価償却 資産は、度重なる税法の改正でややこしくなっております。もう一度おさらいしておきましょう。

1.取得価額が10万円未満のもの
 取得時に全額損金経理処理ができます。(勘定科目:消耗品など)
2.取得価額が10万円以上のもの
 原則、減価償却資産として、その耐用年数・償却方法に応じて計算された金額を減価償却費として損金経理処理します。
(勘定科目:減価償却費)が、以下の特例があります。
 @取得価額が10万円以上で20万円未満のもの
 いわゆる一括償却資産として、その取得価額の合計額につき3年間で損金経理処理できます。また、償却資産税の課税対象となりません。
 A取得価額が10万円以上で30万円未満のもの
 青色申告者の中小企業者等の特例として、取得価額が30万円未満のものを一時に損金経理処理できます。ただし、年間の取得価額の合計額が300万円に 達するまでの金額が限度であり、申告書に明細の添付が必要です。
3.取得価額が30万円以上のもの
 原則通り減価償却資産として、その耐用年数・償却方法に応じて計算された金額を減価償却費として損金経理します。
しかし、資産の種類・金額によっては、特別償却や税額控除という別の税務上の特典に該当する場合もあります。
4.結論
 決算状況を把握しつつ、30万円未満の減価償却資産の経理処理につき最良な選択をしていくことが重要です。

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◆要件が緩和された税制 非上場株式等の事業承継
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 非上場株式等の事業承継税制については、アメリカにはありませんが、ドイツ、フランス、イギリスといった主要国において導入されていることから、我が国 においても平成21年の税制改正で創設し現在に至っています。
 その骨子は、相続及び贈与にて取得する一定の非上場株式等について、その株式等(発行済み株式の3分の2まで)に係る課税価格の80%(贈与税の場合は全額)に対応する相続税額について納税が猶予される、というものです。

◆使い勝手が悪く課税リスクが大きい
 しかし、制度の導入から4年経ってもその適用件数は549件(相続税381件、贈与税168件)と活用されていませんでした。
 理由は、この制度を導入しているフランス、ドイツ、イギリスなどと比べてもその適用要件が厳しく、かつ、納税猶予打ち切りに伴う課税リスクが大きく、その利用には躊躇せざるを得なかったのが実情でした。
 具体的には、フランス、イギリスなどでは、雇用継続要件などはありません 。
ドイツにはありますが、要件を満たさなくなったからといって我が国のように猶予税額全額の打ち切りはありません。
 また、猶予税額の免除期間ですが、我が国では後継者が死亡するまでですが、ドイツ、フランスなどは5年程度で猶予税額の全額が免除されます。
 さらに、これらの国では、先代経営者の役員継続や親族外承継も認められていますが、我が国では認められていません。

◆要件が緩和された
 経済界からの強い要望で、平成25年税制改正で要件の一部が大幅に緩和されました。その主なものは次のとおりです。
@雇用要件が「5年間毎年8割維持」が「5年間平均8割維持」になりました。
A納税猶予打ち切りリスクであった利子税の負担が、承継5年超で5年間の利子税は免除されました。
B役員退任要件については、贈与時の役員退任を代表者退任とされました。
C親族でない従業員などへの承継も可能とされました。
D猶予税額の計算が有利になるよう、個人債務は株式以外の財産から差し引く方法に改められました。
E経済産業大臣による事前確認制度は廃止されました。
 なお、これら要件緩和は、平成27年1月1日以降の相続税・贈与税から適用ですが、Eは平成25年4月1日から実施済みです。
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税理士法人 T&Mソリューション