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事務所だより 令和6年6月号

日本は30年ぶりに物価が上昇して、政府は「物価と賃金の好循環」が生まれた と言っていますが、技術革新によって生産性が上昇し、それによって賃金が上昇 して購買力が増え需要が増大する。これが「物価と賃金の好循環」であって、円 安で物価が上昇したので無理矢理に名目賃金を引き上げて、それを価格に転嫁さ せるコストプッシュ型のインフレのため、実質賃金は23か月連続で減少してい ます。これでは人々は豊かになりません。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆2024年6月の税務
◆リスキリングとリカレント教育
◆経営者保証ガイドライン〜早期廃業と再チャレンジ〜

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◆2024年6月の税務
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6月10日
●5月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収税額(前年12月〜当年5月分)の納付

6月17日
●所得税の予定納税額の通知

7月1日
●4月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●10月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の3月、4月決算法人を除く法人・個人事業者の1 月ごとの中間申告(2月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●国外財産調書・財産債務調書の提出

○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第1期分)(6月、8月、10月及び1 月中(均等割のみを課する場合にあっては6月中)において市町村の条例で定め る日)

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◆リスキリングとリカレント教育
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◆DX時代に必要なリスキリング
 一般的にリスキリングやリカレント教育はともに「学び直し」と定義されるこ とが多い言葉ですが背景や目的は違っています。
 経済産業省はリスキリングを「新しい職業に就くため、あるいは今の職業で必 要とされるスキルの大幅な変化に適応するために必要なスキルを獲得する/させ ること」と定義しています。
必ずしも「リスキリング=DX教育」ではありません が、「企業が戦力的に新しいビジネスに対応するために不可欠なスキル・知識の 獲得を促す」という企業視点です。
実践に重きを置き、DX化のための新たなスキ ルの習得をすることを言います。リスキリングは社会の要請により学びを提供す る視点が強い言葉ですが、学ぶ本人の主体性なしに成功はありません。

◆リカレント教育とは
 リスキリングと並行して語られることが多いのが「リカレント教育」です。「 循環する、繰り返す」という意味を持ち、業務と並行しながら学ぶリスキリング と違い、学校教育から離れた後も必要なタイミングで仕事と教育を繰り返し、個 人の学びに主体が置かれている点が違います。
 リカレント教育は人生100年時代におけるQOL向上でしょう。
働く期間が延びれ ばスキルや知識のアップデートも必要になるということです。学ぶことで専門性 や希少性が高まります。
日本では今まで年功序列制や終身雇用が一般的でOJTな どの育成をしてきましたが、これからのジョブ型雇用に変化する時代にはリカレ ント教育の関心が高くなるでしょう。

◆企業のリスキリングが注目されている理由
 2020年のダボス会議で「リスキリング革命」が主要な議題となり、それは「第 4次産業革命の技術変化に対応するため2030年までに全世界で10億人により良い 教育、スキル、仕事を提供する」というものです。
2022年に岸田首相がリスキリ ングのための支援制度を政策の中に盛り込むことを表明し、人への投資が重要で あるとの考えを示しました。
企業がリスキリングを推進するメリットは、
1.ワー クエンゲージメント(仕事に対してのポジティブで充実した心理状態)の向上、
2.自立型人材の育成、
3.社内業務に精通した人材に取り組んでもらえる、などの メリットがあります。

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◆経営者保証ガイドライン〜早期廃業と再チャレンジ〜
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◆「会社の破産」=「経営者の破産」?
 会社の経営が厳しく、廃業を考えているとしましょう。経営者の個人保証があ る場合、会社が破産すると、経営者も破産するしかないのでしょうか。いいえ、 違います。
 法人が破産しても、「経営者保証に関するガイドライン」を活用し、保証債務 を整理することで、個人破産を回避し、再出発できる可能性があります。ガイド ラインに基づき保証債務を整理した場合、経営者に一定の資産を残すことを認め ています。

◆経営者保証に関するガイドライン適用要件
 ガイドラインに基づく保証債務整理を申し出る場合は、以下のような要件を充 足している必要があります。
●法人(主債務者)が法的整理(破産、民事再生等)や私的整理及びこれに準じ る手続(準則型私的整理手続)を開始申立て済みである。
●対象債権者に経済合理性が期待できる。
●法人及び保証人が弁済について誠実であり、対象債権者の請求に応じ、財産状 況等について適時適切に開示している。

◆早期決断のメリット
 廃業等を早期決断することによって、事業が毀損する前に債務整理をすること で、売掛債権回収の極大化が図られるほか、早期売却価格ではなく市場価格で不 動産等を売却できます。
また、金融機関に経済合理性が生まれ、インセンティブ 資産を手元に残せる可能性があります。

◆インセンティブ資産とは
 現時点で清算することにより、将来に清算した場合よりも、回収見込み額が増 加する額がインセンティブ資産の上限となります。
(1)一定期間の生計費に相当する額の資産
(2)華美でない自宅
(3)その他の資産(個別事情を考慮して判断)

◆どこに相談すればいいの?
 まずは、取引金融機関や中小企業活性化協議会、REVIC(地域経済活性化支援 機構)、支援専門家(弁護士、税理士等)等へご相談ください。
早めの相談がガ イドラインに基づく保証債務整理や、廃業だけでなく、事業再生や事業承継など 、取り得る選択肢を広げることが期待されます。



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税理士法人 T&Mソリューション