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事務所だより 令和5年12月号
2025年に開催予定の大阪・関西万博をめぐって、「当初予定していた予算よりも
莫大にカネがかかる割に、大して経済効果もないんだから、やめたらええやん」
という開催中止を望む声が上がってきています。
東京オリンピック2020で不明朗 なお金をばらまいた反省が活かされず、また莫大なお金を浪費するのでしょうか 。それでなくても、防衛や生活保障に回すお金がなくて、大増税を岸田政権は目 論んでいるようですが!?
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆2023年12月の税務
◆相続対策と課税の公平
◆賃上げ実現と取引の適正化
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◆2023年12月の税務
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12月11日
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収税額(当年6月〜11月分)の納付
翌年1月4日
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の 1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除 申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で 定める日)
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◆相続対策と課税の公平
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タワーマンション事件では、被相続人が事業承継の目的で取得したマンション の相続税評価は、財産評価基本通達(評価通達)によるのではなく、総則6項を 適用した鑑定評価額によるとして追徴課税されました。
相続人は相続税評価額をマンション取得のための借入金と相殺し、相続税額を ゼロと申告しましたが、銀行に残された資料等から一連の取引が租税負担の軽減 を意図したものであると認定されました。
◆相続対策に対する課税
相続対策は、生前に財産を組替え、移転させることにより、課税価格を少なく して相続時の税負担を圧縮させるものですが、これらは法令に従う限り、本来、 適法であり、実際、申告には路線価等に基づく評価が求められます。
一方で、評価通達には、総則6項が別に定められており、通達による評価が著 しく不適当と認められるときは、評価通達ではなく、国税庁長官の指示を受けて 評価すると規定されていますが、その場合は納税者の意に反して課税されること になります。
総則6項の「著しく不適当」がどの程度を指すのか明確に規定され ていませんが、最高裁は実質的な租税負担の公平に反する事情がある場合には、 合理的な理由があると認められるので、評価通達によらなくても平等原則に反し ないと判示しました。
◆租税法律主義との相克
評価通達によらずに課税庁が評価するとなると、そこには課税庁の恣意性が働 き、納税者にとっては自分の申告が適法か予測できず、いつ否認されるかわから ない不安定なものとなってしまいます。
総則6項を適用するのは、行き過ぎた税負担の圧縮が行われたときとされます が、その判断を納税者に求めるのは無理があり、課税庁が財産評価を決め、変更 することを自由にできるのであれば、申告納税制度の根幹が損なわれてしまいま す。
◆租税公平主義を意識した相続対策
国税庁はパブリックコメントでマンションなど居住用の区分所有財産の評価に ついて、市場価格と相続税評価額との乖離を埋める基準を公表しましたが、相続 対策に対する判断基準を示しているわけではありません。
課税庁には恣意的な課 税をさせないため、適正な課税ルールを法律で定めることを求めつつ、納税者に は今後も租税公平主義を意識した相続対策が求められそうです。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
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◆賃上げ実現と取引の適正化
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◆価格転嫁が困難な理由
中小企業が取引先に対して、労務費や原材料費、エネルギーコスト等の上昇分 を適切に転嫁できないという問題が生じています。
適切な価格転嫁ができない理 由には様々なものがあるでしょうが、一つには中小企業と取引先との関係性(力 関係)に起因していることが挙げられます。
ある中小企業において、その取引先との取引継続が困難になると、自社の経営 に大きな影響を及ぼすことになると考えた場合、取引先からコストの上昇分を価 格に反映せず、従前の取引価格に据え置くことを求められたとしても、今後の取 引継続を第一に考えて、これを受け入れざるを得ないということもあります。
又 は、中小企業自身から今後の取引継続を求めるため、コスト上昇分の価格転嫁を 控え、従前の取引価格を取引先に提案することもあり得ます。
いずれの場合でも、これを放置すれば価格転嫁ができないことによる原資の不 足から、中小企業における賃上げの実現も困難になります。
◆取引適正化についての政府の考え
このように中小企業が、取引先に対して適正な価格転嫁ができない要因を法律 的な側面から見た場合には、独占禁止法(以下「独禁法」)や下請法の問題と捉 えることができます。
政府は、中小企業が取引先に対して、適切な価格転嫁を行 い、賃上げの原資を確保することができるように、独禁法や下請法の執行を強化 しています。
また、政府は「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッ ケージ」を策定して、政府全体で転嫁対策に取り組んでいくことを公表していま す。具体的な例として政府は、価格転嫁対策について独禁法と下請法の執行強化 のほか、労働基準監督機関(都道府県労働局及び労働基準監督署)における対応 として、最低賃金や賃金・残業代の不払いが疑われる事業場に対して、上記機関 が監督指導を実施して是正を図るとしています。
これは、適正な価格転嫁ができ ないことの皺寄せが、末端の労働者に及ぶのを防ぐことを目的としていると思わ れます。なお、これらの施策では、中小企業にも政府の取組みなどを理解しつつ 、適正な価格転嫁の実現、ひいては賃上げの実現に向けた努力が求められます。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-東京オリンピック2020で不明朗 なお金をばらまいた反省が活かされず、また莫大なお金を浪費するのでしょうか 。それでなくても、防衛や生活保障に回すお金がなくて、大増税を岸田政権は目 論んでいるようですが!?
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆2023年12月の税務
◆相続対策と課税の公平
◆賃上げ実現と取引の適正化
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◆2023年12月の税務
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12月11日
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民 税の特別徴収税額(当年6月〜11月分)の納付
翌年1月4日
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・ 地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告< 消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の 1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除 申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で 定める日)
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◆相続対策と課税の公平
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タワーマンション事件では、被相続人が事業承継の目的で取得したマンション の相続税評価は、財産評価基本通達(評価通達)によるのではなく、総則6項を 適用した鑑定評価額によるとして追徴課税されました。
相続人は相続税評価額をマンション取得のための借入金と相殺し、相続税額を ゼロと申告しましたが、銀行に残された資料等から一連の取引が租税負担の軽減 を意図したものであると認定されました。
◆相続対策に対する課税
相続対策は、生前に財産を組替え、移転させることにより、課税価格を少なく して相続時の税負担を圧縮させるものですが、これらは法令に従う限り、本来、 適法であり、実際、申告には路線価等に基づく評価が求められます。
一方で、評価通達には、総則6項が別に定められており、通達による評価が著 しく不適当と認められるときは、評価通達ではなく、国税庁長官の指示を受けて 評価すると規定されていますが、その場合は納税者の意に反して課税されること になります。
総則6項の「著しく不適当」がどの程度を指すのか明確に規定され ていませんが、最高裁は実質的な租税負担の公平に反する事情がある場合には、 合理的な理由があると認められるので、評価通達によらなくても平等原則に反し ないと判示しました。
◆租税法律主義との相克
評価通達によらずに課税庁が評価するとなると、そこには課税庁の恣意性が働 き、納税者にとっては自分の申告が適法か予測できず、いつ否認されるかわから ない不安定なものとなってしまいます。
総則6項を適用するのは、行き過ぎた税負担の圧縮が行われたときとされます が、その判断を納税者に求めるのは無理があり、課税庁が財産評価を決め、変更 することを自由にできるのであれば、申告納税制度の根幹が損なわれてしまいま す。
◆租税公平主義を意識した相続対策
国税庁はパブリックコメントでマンションなど居住用の区分所有財産の評価に ついて、市場価格と相続税評価額との乖離を埋める基準を公表しましたが、相続 対策に対する判断基準を示しているわけではありません。
課税庁には恣意的な課 税をさせないため、適正な課税ルールを法律で定めることを求めつつ、納税者に は今後も租税公平主義を意識した相続対策が求められそうです。
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◆賃上げ実現と取引の適正化
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◆価格転嫁が困難な理由
中小企業が取引先に対して、労務費や原材料費、エネルギーコスト等の上昇分 を適切に転嫁できないという問題が生じています。
適切な価格転嫁ができない理 由には様々なものがあるでしょうが、一つには中小企業と取引先との関係性(力 関係)に起因していることが挙げられます。
ある中小企業において、その取引先との取引継続が困難になると、自社の経営 に大きな影響を及ぼすことになると考えた場合、取引先からコストの上昇分を価 格に反映せず、従前の取引価格に据え置くことを求められたとしても、今後の取 引継続を第一に考えて、これを受け入れざるを得ないということもあります。
又 は、中小企業自身から今後の取引継続を求めるため、コスト上昇分の価格転嫁を 控え、従前の取引価格を取引先に提案することもあり得ます。
いずれの場合でも、これを放置すれば価格転嫁ができないことによる原資の不 足から、中小企業における賃上げの実現も困難になります。
◆取引適正化についての政府の考え
このように中小企業が、取引先に対して適正な価格転嫁ができない要因を法律 的な側面から見た場合には、独占禁止法(以下「独禁法」)や下請法の問題と捉 えることができます。
政府は、中小企業が取引先に対して、適切な価格転嫁を行 い、賃上げの原資を確保することができるように、独禁法や下請法の執行を強化 しています。
また、政府は「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッ ケージ」を策定して、政府全体で転嫁対策に取り組んでいくことを公表していま す。具体的な例として政府は、価格転嫁対策について独禁法と下請法の執行強化 のほか、労働基準監督機関(都道府県労働局及び労働基準監督署)における対応 として、最低賃金や賃金・残業代の不払いが疑われる事業場に対して、上記機関 が監督指導を実施して是正を図るとしています。
これは、適正な価格転嫁ができ ないことの皺寄せが、末端の労働者に及ぶのを防ぐことを目的としていると思わ れます。なお、これらの施策では、中小企業にも政府の取組みなどを理解しつつ 、適正な価格転嫁の実現、ひいては賃上げの実現に向けた努力が求められます。