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事務所だより 令和5年11月号

日本は2024年問題で更に人手不足になりそうです。2019年の改正労基法で、労使 協定による時間外労働は月45時間、年360時間までが原則で、臨時的な特別な事 情がある場合でも年720時間までとなりました。
これが来年4月から建設業や自 動車運転の業務、医師にも適用され、時間外労働が月100時間以上となった場合 や、2か月から6か月の平均のいずれかが80時間を超えた場合、経営者は刑事責任 の対象となるのです。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆2023年11月の税務
◆海外転勤=国外転出届で変わる−税金・健康保険・年金
◆電子帳簿保存の電磁的記録媒体

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◆2023年11月の税務
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11月10日
●10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

11月15日
●所得税の予定納税額の減額申請

11月30日
●所得税の予定納税額の納付(第2期分)
●特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
●9月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申 告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●3月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3月ごと の中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1 月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○個人事業税の納付(第2期分)(11月中において都道府県の条例で定める日)

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◆海外転勤=国外転出届で変わる−税金・健康保険・年金
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◆国外転出届をすると国内住所がなくなる
 1年以上の予定での海外転勤となると、居住している自治体に転出届を提出し ます。転出先として国外の住所を記載するので国外転出届となります。
この届出 により、国内に住所はなくなります。国内に住所がなくなることで、住所を基に 課される税金や保険・年金の扱いも変わってきます。

◆所得税・住民税
 国内に住所がなくなると、所得税法上の納税義務者区分は、非居住者となりま す。
 給与以外の所得がなければ、日本での所得税の課税はなく、勤務先国での税法 に従った課税となります(駐在期間中の自宅を他人用の賃貸に出すなど、給与以 外の日本国内源泉所得がある場合は、日本での確定申告が必要となることもあり ます)。
 個人住民税は、その年の1月1日時点で市町村(都道府県)に住所がある者に対 して課税されます。
そのため、住所がなくなった翌年からは、帰国して住所を持 つこととなるまで、住民税は課されないことになります。

◆社会保険・国保・年金
 赴任前の国内会社から継続して国内払い給与があれば、海外赴任中も各種社会 保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険など)の被保険者資格は継続となりま す。厚生年金につき、赴任先国と日本との間で年金協定があれば、2つの国での 二重払いを回避できます。
 健康保険が継続していると、海外赴任中に急な病気やけがなどによりやむを得 ず現地の医療機関で診療等を受けた場合に、申請により一部医療費の払い戻しを 受けられる海外療養費制度が使えます。
 一方、雇用主が駐在先の現地法人となる場合には、現在の日本での被保険者資 格を喪失することになります。その場合は厚生年金から国民年金への切り替えや 健康保険の任意継続などの手続きが必要となります。
 国民年金は、日本国籍者であれば、海外居住でも任意加入できます。国民年金 に任意加入する目的としては、年金をもらう条件として必要な加入期間を充足さ せることと将来もらえる年金額を減らさないためなどです。
なお、海外在住者に 国民健康保険の任意加入制度はありません。

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◆電子帳簿保存の電磁的記録媒体
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◆電磁的記録媒体って何?
 電子帳簿保存法では、国税関係帳簿書類の保存義務者は、自己が最初の記録段 階から一貫して電子計算機を使用して国税関係帳簿を作成する場合に、一定要件 下で、その電磁的記録の保存をもってその書類の保存に代えることができること とされています。
では、「電磁的記録」は、どんなものに保存するべきでしょう か。
国税庁のWebサイトに具体的なものとして挙げられているのは、ハードディ スク・CD・DVD・磁気テープ、もしくはCOM(電子計算機出力マイクロフィルム) 等とされています。
 ただ、法令解釈を見てみると、「法律上媒体を具体的に限定するような規定は 存在せず、保存義務者の任意の選択で良い」とされています。

◆ところで磁気テープって何?
 若い人の中には「磁気テープって何だ?」と思った方もいらっしゃるかもしれ ません。昔は音楽を聴くのに使う「カセットテープ」やテレビ番組などを録画し ておく「ビデオテープ」といったものがメジャーでした。
磁気を帯びたテープが 円形に巻き付けてある記録媒体で、動画等の早戻しを「巻き戻し」と言う方がい るのは、このテープの巻きに由来しているものです。
 最近は一般の方には縁遠いものになりつつある磁気テープですが、データ保存 の規格であるLTOテープというものが活躍しています。
容量あたりの価格が安く 、データ保存時の電力消費量も低いため、大容量データのバックアップ等に活用 されているようで、グーグルやマイクロソフトといった大企業も利用しています 。

◆保存は良いけど提出はNG
 そんな磁気テープですが、令和4年度税制改正において、給与支払報告書やe-T axによる法人税等の確定申告の添付書類記載事項の提出方法から、磁気テープの 提出が除外されています。
 磁気テープは保存性や容量で比較すると他の媒体に比べ優位であるものの、そ のデータを読み込むドライブの価格が、とても高いのです。
規格が異なると読み 込みもできなくなるため、常に最新のドライブを購入し、古いものも使えるよう に維持する費用を考えると、除外もやむなしといったところでしょうか。



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