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事務所だより 令和5年10月号

中国経済が景気減速に苦しんでいますが、若者の間に広がる「引きこもり」が日本と同じく問題となっているようです。
共産党宣伝部機関紙の『光明日報』が「社恐」(社交を恐れる)に関するアンケートを取ったところ、全国の2532人の若者から回答あり、97.3%の人が対面での交流を回避しているか、あえて気を入れて他人と交際しようと思わないと答えたそうです。
世界中でデジタルが人間関係を変化させていっています。

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◆2023年10月の税務
◆NISAへの誘いと現NISA
◆トラック運転者の改善基準告示とは

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◆2023年10月の税務
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10月10日
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

10月16日
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知

10月31日
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)

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◆NISAへの誘いと現NISA
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◆老後への早期の準備を
 老後の生活を豊かにするには、健康、生きがい、まとまった資金が必要です。
健康と生きがいは、運動や食事や趣味や人間関係などへとテーマが拡がっていきますが、老後生活資金については、年金の外は若い時からの資産形成に拠らざるを得ません。
 総務省の家計調査報告では、65歳以上の夫婦世帯・単身世帯の平均値として、消費支出に対し16.8%の収入不足となっている、と報告されています。
この不足を補うに足る余裕資金の確保が不可欠です。
 政府は預金だけではない資産形成として、投資をすることを勧めています。
株式などの投資で出た利益を非課税とするNISAやiDeCoが代表例です。
確かに、預金で持つよりも資産を増やせるのが投資の魅力です。
預金と異なり元本が減る可能性はありますが、長い期間でやり方を工夫すれば大きな損失を出す可能性は減らせます。

◆NISAで1800万円の資産形成を
 NISAとは、個人の投資による株式・投資信託等の配当・譲渡益等を非課税とする税制優遇制度で、今年の税制改正で大改造されました。
 令和6年1月1日からの新NISAは、非課税期間が無期限となり、年120万円限度の安全性重視型の「つみたて投資枠」と、年240万円限度の自己責任型の「成長投資枠」とになります。両枠併用は可です。
 なお、無期限化に伴い、非課税保有限度額が、両投資枠全体で1800万円(成長投資枠のみでは1200万円)の制限が設けられました。
最低このくらいの老後資金を長期的に蓄積しておきなさい、という政府メッセージのように見えます。

◆旧NISAと新NISAの併用
 令和5年末までの現行NISAは新NISAとは別建てなので、令和5年12月31日までで打止めとなり、以後は5年、20年の非課税期間満了経過とともに旧NISAは消滅となり、順次課税口座にその時の時価額で移管されることになります。
 しかし、新NISAが出来たからと言って、旧NISAに不都合があったわけではありません。
2023年中に旧NISAをはじめれば、生涯非課税で運用できる金額が増えることになります。
少しでも早く積立投資を始め、少しでも多くの非課税枠を確保することの意味では、新NISAを待たずに現NISAに挑戦すべきです。

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◆トラック運転者の改善基準告示とは
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◆迫りくる令和6年4月施行の改善基準
 トラックなどの運輸業界では「2024年問題」と言われているのが「改善基準告示」です。
改善基準告示とは、「自動車運転者等の改善のための基準」のことを言い、自動車運転者の長時間労働を防ぐことは、労働者自身の健康確保のみならず、国民の安全確保の観点からも重要であることからトラック、バス、ハイヤー、タクシー等の自動者運転者について基準などが設けられています。
 広い意味でトラック運転者とは運送会社で働くトラックの運転者に限らず旅客事業者運送事業(ハイヤー・タクシー・バス等)及び貨物事業者運送事業以外の事業に従事する自動車運転者を含みます。
 令和4年12月に自動車運転者の健康確保等の見直しが行われ、拘束時間の上限や休息期間等が改定され、令和6年4月に施行されます。
 自動車運転者の時間外労働の上限は、令和6年4月から原則月45時間、年360時間、臨時特別な事情がある場合でも年960時間となります。

◆トラックの「改善基準告示」見直しポイント
 改善基準はトラックやタクシー、バスで共通事項もありますが時間の制限の多少の違いがあります。ここではトラックの改善基準を見てみます。
(1)1年の拘束時間 現行3516時間⇒3300時間 最大3400時間
(2)1か月の拘束時間 現行原則293時間最大320時間⇒原則284時間、最大310時間
(3)1日の休憩時間 現行継続8時間⇒継続11時間を基本とし、9時間下限

◆労働時間のとらえ方、考え方
 拘束時間とは使用者に拘束されている時間で、労働時間+休憩時間 例えば会社に出社し始業から仕事し、仕事を終えて終業するまでを言います。
 また、作業時間とは運転や車両の整備、荷扱いをする時間を言い、手待ち時間とはバスやタクシー運転手における客待ち、トラック運転手における荷待ちの時間を言います。そして休息時間とは勤務と次の勤務の間の時間で、睡眠時間を含む生活時間として労働者にとって全く自由な時間を言います。
 トラック運転手の労働時間短縮に取り組むことは人材不足の中、さらなる経営努力が求められています。



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