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事務所だより 令和5年5月号

今年の税制改正により、来年以後に行われる生前贈与から、相続開始前7年以内 の贈与分が相続税の計算に含まれることになりました。
今までは相続開始前3年 でしたが、元気だし3年は大丈夫と思う人にとっては、毎年110万円までは課税さ れない贈与税の基礎控除枠を利用して、少しづつ財産を家族などに移転させる方 法は有効な相続税対策でした。
今後、7年先はわからないと思う多くの人に暦年 贈与は使いづらい制度となりました。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆2023年5月の税務
◆昨年の実質賃金0.9%減額
◆カスタマーハラスメントが増えている

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◆2023年5月の税務
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5月10日
●4月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

5月15日
●特別農業所得者の承認申請

5月31日
●個人の道府県民税及び市町村民税の特別徴収税額の通知
●3月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人 事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申 告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税 >
●9月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住 民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごと の中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の2月、3月決算法人を除く法人・個人事業者の1 月ごとの中間申告(1月決算法人は2ヶ月分、個人事業者は3ヶ月分)<消費税・ 地方消費税>
●確定申告税額の延納届出に係る延納税額の納付

○自動車税(種別割)の納付(5月中において都道府県の条例で定める日)
○鉱区税の納付(5月中において都道府県の条例で定める日)

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◆昨年の実質賃金0.9%減額
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◆現金給与総額は
 毎月勤労統計調査 令和4年分結果速報により昨年支払われた現金給与総額と実 質賃金との関係を見てみると、現金給与総額は前年比2.1%増の326,157円となり 1991年以来31年ぶりの伸び幅となりました。
所定内給与で見ると一般労働者は31 8,904円、1.3%増、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,242円、1.6%増で す。

◆実質賃金は
 一方物価の変動を反映した実質賃金は前年比0.9%減少と2年ぶりのマイナスと なりました。
現金給与総額はコロナ禍で落ち込んだ経済の回復を背景に2.1%増 加しました。
給与総額のうち基本給に当たる所定内給与は1.2%増、残業代など の所定外給与は5%増となりました。
賞与などについては5.1%増と大きく伸びて います。
しかし、賃金の実質水準を算出する指標となる物価が3.0%の上昇とな ったため実質賃金はマイナスとなりました。
 働いている形態で見ると正社員等一般労働者の給与総額は2.3%増、パートタ イム労働者は2.6%増でした。
コロナ禍で落ち込んでいたボーナスが4年ぶりに増 加するなど給与は増加傾向にありますが、物価の上昇に追い付いていません。

◆労働時間と雇用状況はどう変化?
 労働者一人平均の総実労働時間は昨年比0.1%増の136.2時間でした。そのうち 所定内労働時間は0.3%減の126.1時間、所定外労働時間は4.6%増の10.1時間と なりました。
 雇用状況では常用雇用者は昨年比0.9%増の5,134万2千人でした。
就業形態別 に見ると一般労働者は0.5%増の3,513万人、パートタイム労働者は1.9%増の1,6 21万2千人でした。
 賃上げして従業員に報いたいという気もちは経営者の変わらぬ思いでしょう。
しかし物価上昇に追い付かない状況ではなかなか経営努力が目に見えにくいとい うことかもしれません。

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◆カスタマーハラスメントが増えている
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◆顧客や取引先の著しい迷惑行為
 厚生労働省ではカスタマーハラスメントについて「顧客や取引先のクレームや 言動のうち、要求の妥当性を欠いたり態度が社会通念上ふさわしくなかったりし て労働環境が害されるもの」をカスハラと定義しています。
昨年12月に公表され た連合の調査によるとカスハラで一番多いのは「暴言」55.3%、次に「説教など 権威的な態度」46.7%だそうです。

◆カスハラは増えているが取り組みは遅い
 同調査は最近5年間で発生件数が増えたと回答した人は36.9%あり、人手不足 によるサービスの変化や低下、中でも「コロナで発生件数が増えた」と答えたの は22年11月では23.1%ありました。
コロナ禍のストレスで怒りの沸点の低下が挙 げられます。カスハラが発生するきっかけは、勘違い、嫌がらせ、商品・サービ スへの不満もありますが「制度上の不備」との回答も16.3%あり、それは「不備 な体制や制度の放置」でもあり、会社の責任もあるということを言っているよう です。
 20年10月の厚労省の調査では約6千社のうちカスハラの取り組みを「特にして いない」企業は57.3%で「顧客の理不尽な要望への対応も優れたサービスへの一 環として我慢して見逃してる企業も多い」とのことです。
カスハラの取り組みが 進まない要因は、多頻度、長時間などのクレーム等、どこからがカスハラなのか 難しく対策の立て方にもわかりにくい面があることです。

◆日常にある出来事として体制整備
 カスハラを受けた人は「心身に不調をきたした」26.7%、「仕事を辞めた・変 えた」10.5%などの回答もあります。
 カスハラにより従業員のストレスが高まって心身に不調を来たし、業務が行え なくなる様子などを見た他の従業員が辞めてしまう、そのような情報が広まり採 用難になるといった悪循環に陥らないようにしたいものです。
 カスハラを放置せず発生した場合の相談窓口、カスハラの判断基準、社内規定 、対策マニュアル整備等を進めると同時にクレームに1人で対処せず初期対応の 重要性を指摘し会社と情報を共有することが大事です。



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