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事務所だより 令和4年9月号

以前「老後2000万円問題」が話題になりました。
これは総務省の「家計調査」で、無職の高齢夫婦世帯では毎月生活費が約5.5万円足りない。
仮にあと30年生きるとすれば約2000万円必要という単純な計算です。

しかし、この調査で多くの「年金収入の記入漏れ、記入忘れ」があることがわかりました。
京都大学の「全国消費実態調査」では、無職の高齢夫婦世帯の取崩額は約1万円に過ぎず、
5倍以上の開きがあったそうです。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆2022年9月の税務
◆改修ローン型の控除は終了 投資型減税制度等の改正
◆交際費と社内飲食費

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◆2022年9月の税務
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9月12日
●8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

9月30日
●7月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>

●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>

●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>

●1月決算法人の中間申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)

●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>

●消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告
(5月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>



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◆改修ローン型の控除は終了 投資型減税制度等の改正
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◆住宅ローン控除の陰で改正
 令和4年税制改正では、住宅ローン控除が大きく変更され、話題になっています。
その一方、住宅ローン控除を受けられない場合の新築やリフォームに対する減税制度についても、
少し手が加えられています。

◆投資型減税とは
 住宅ローン控除はローン返済期間が10年以上あるものに適用されます。合計所得金額3,000万円以下等の
要件はありますが、家を購入・改築した際に短い期間のローンや現金払いの方でも利用できる可能性があるのが、
投資型減税制度です。投資型減税制度の場合、控除されるのは原則1年のみとなっており、控除対象限度額も
住宅ローン控除に比べると低いのが特徴です。

 なお、住宅ローン控除を受けられる人が投資型減税を選択することもできますが、住宅ローン控除と
投資型減税の併用はできません。

◆新築住宅に対する投資型減税の改正
 新築の住宅については認定長期優良住宅・認定低炭素住宅が従来対象となっていましたが、令和4年の改正で
特定エネルギー消費性能向上住宅(ZEH水準省エネ住宅)も対象になりました。控除対象限度額は650万円、
控除率は10%で、改正前と変わりはありません。

◆特定の改修をした際のローン控除はなし
 バリアフリー・三世代同居・省エネ改修を、ローンを受けて行った場合に選択可能な「リフォーム支援のローン型税額
控除」については、令和3年12月31日で終了となりました。

 ただし、投資型の税額控除については「ローンの有無にかかわらず利用可」となっているため、令和4年以降も
継続される既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の投資型減税に統合される形となります。
ローン型の減税では5年間だった控除期間が1年で終了(所得税額が0円になり、引き切れない場合は翌年持ち越し)
となります。

◆改修投資型減税から見れば拡充
 令和4年からの改修工事をした場合の投資型減税の控除限度額は、必須工事の他に「対象工事限度額を
超過する部分」と「その他のリフォーム工事」についてもある程度控除が適用されることになったので、改正前と
比べると全体の控除限度額は拡大することとなります。


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◆交際費と社内飲食費
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◆交際費制度はそのまま延長
 令和4年度税制改正で、交際費の損金不算入制度および接待飲食費に係る特例については令和2年度の改正内容を
踏襲し、そのまま2年間延長することとなりました。

(1)支出する交際費等の額のうち接待飲食費(1人当たり5,000円を超える分)の額の50%相当額は損金算入

(2)資本金又は出資金の額が1億円以下の中小企業は支出する交際費の額のうち年800万円までは損金算入

※中小企業はどちらかを選択適用
 「(1)について、資本金の額等が100億円を超える法人を除外」も据え置きです。

◆飲食費は社内・社外で対応が異なる
 資本金1億円超の企業であっても、社外への接待飲食費については1人当たり5,000円以下の飲食であれば税務上
交際費に含めず、全額を損金にできます。また、自社の役員・従業員・親族に対する接待等のために支出するものは、
5,000円以下であっても交際費に該当します。

 ただし、社内の「(参加の可否はともかく)社員全員を対象とした忘年会等」の飲食費については、社会通念上
妥当な金額であれば、福利厚生費として扱います。

 「社内飲食費」なのかが微妙な判定も、国税庁のQ&Aで例示されています。親会社の役員や、グループ内の他社の
役員等に対する飲食費、同業者同士の懇親会等で支出する自己負担分の飲食費については、「社内飲食費」には該当しません。
こういった場合は1人当たり5,000円以下であれば税務上交際費には該当せず、全額損金算入が可能です。

◆では、出向者の飲食費はどうなる?
 出向者の場合は、その出向者が出向先法人の立場で飲食等の場に出席したか、出向元法人の立場で出席したかにより、判断することになります。

 例えば、親会社からの出向者が出向先の子会社の役員等を接待する会合に、子会社の役員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、「社内飲食費」には該当しません。他方、出向者が親会社の懇親会の席に、あくまで親会社の社員等の立場で出席しているような場合に支払う飲食代は、社内飲食費に該当することとなります。


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