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事務所だより 令和4年8月号
ドル円相場が流動しています。日銀は消費者物価上昇率を2%にするためと2013年4月に大規模な金融緩和政策を開始しました。ところが消費者物価上昇率は2%を超えても金融緩和政策を変更しないと言いだしました。
金融緩和の真の目的が物価上昇ではなく、株価上昇にあるためです。円安は輸出産業を中心に企業の利益を増やし、株価を上げ、また、円安は消費者物価を上げ、相対的に実質賃金が下落し、更に株価が上昇するのです。
=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
◆2022年8月の税務
◆今年の改正税法 所得税・住民税と退職所得
◆残業代が変わる!来年4月から
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◆2022年8月の税務
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8月10日
●7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8月31日
●6月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●12月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●個人事業者の消費税・地方消費税の中間申告
○個人事業税の納付(第1期分)(8月中において都道府県の条例で定める日)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)(8月中において市町村の条例で定める日)
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◆今年の改正税法 所得税・住民税と退職所得
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◆退職所得は合計所得金額を構成するが
令和2年分の所得税の申告から、基礎控除ほか人的控除、給与所得控除、公的年金等控除、青色申告控除などの改正で、10万円増減や段階的減額や適用除外に伴う所得計算の複雑化が顕著になりました。
合計所得金額の多寡はこの複雑化計算の要素の一つです。そして、所得税に於いては、退職所得はこの合計所得金額の構成要素ですが、住民税での通常の退職所得は、合計所得金額の構成要素ではなく、完全分離課税です。所得税と大きく異なります。
◆住民税では構成しないとの確認的改正
今年の住民税の税制改正では、公的年金等控除額の算定の基礎となる「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額」には、個人住民税における他の所得控除等と同様に、退職所得を含まない合計所得金額を用いること、と所得税と住民税での公的年金等所得の計算の不統一が明確にされ、令和3年分の所得税申告に係る令和4年分の住民税の公的年金等所得・税額計算から適用となっています。
◆配偶者等の退職所得情報の共有化
また、関係するのは、納税者本人の退職所得だけでなく、配偶者や扶養親族の受ける退職所得もです。
今年の税制改正では、退職所得を受給する同一生計配偶者と扶養親族の氏名住所等を「扶養控除等申告書」に記載する事とし、その記載を基に、給与支払者は、「給与支払報告書」の摘要欄に「(退)」を付けて移記し、市町村に提出する事とされました。
ここでは、所得税の課税処理を基に住民税の課税処理が完結しています。
◆本人情報は何故か徹底させない
でも、「確定申告の手引き」には、「一般的に、退職所得に係る所得税等は源泉徴収により課税が済むことになりますので、申告書の提出は不要です。」と書かれています。住民税の事を無視した記載です。
給与所得と退職所得だけの場合だと、年末調整関係申告書と退職所得受給申告書を提出するだけで手続き完了です。そして、これらの申告書は、宛名こそ税務署長や市町村長になっていますが、それらの機関に提出されることのない書類です。
また、法定調書としての「退職所得の源泉徴収票」は、市区町村にも提出されますが、作成範囲は法人の役員に限定です。
住民税の適正計算には除外すべき退職所得情報は不可欠なのに、なぜか不徹底です。
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◆残業代が変わる!来年4月から
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◆割増率が変わることをご存じですか?
現行では法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える時間外労働(法定時間外労働)に対して事業主は25%以上の率で計算した割増賃金を支払うこととなっています。
2023年4月から中小企業も月60時間を超える時間外労働は割増率が引き上げられます。すでに大企業は2010年4月から適用されていた割増率ですが、長らく猶予期間が適用されていた中小企業においても、いよいよ2023年4月からは月60時間超えの残業の割増率が現在の25%以上から50%以上に引き上げられます。
例えば時給1200円の方が残業すると時給は1500円ですが、その方が60時間以上の残業をすると時給1800円となります。60時間を超える時間外労働を深夜(22時から5時)に行う時は75%割増しになります。
恒常的に残業が60時間を超えている事業所は考えなくてはならないでしょう。
さらに、2022年4月からの残業代未払いに対して遡及支払いが2年から3年に延びていますので、残業が多い事業所は対策を考える必要があるでしょう。
◆今から対策をたてる
(1)月60時間を超える法定時間外労働を行った労働者の健康確保のため、引き上げ分の割増賃金の代わりに有給の代替休暇を付与することができます。
(2)労働時間の適正な現状把握をする。
勤怠管理システムの導入などで勤怠管理をする。長時間労働を是正管理する。
(3)リモートワークで管理者が現場にいない時は自己申告になりますが、自己申告とパソコンの使用時間が違っているか、上司管理職は労働時間の上限を設けず、法定労働時間の上限を超えているようであれば、習慣的に行っていないか注意をする必要があります。
(4)割増率の引き上げに併せて就業規則の変更が必要な時があります。
勤怠管理システム導入や就業規則改定費等に「働き方改革推進支援助成金」や「業務改善助成金」等、環境整備に必要な費用の一部が助成される制度があります。
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◆2022年8月の税務
◆今年の改正税法 所得税・住民税と退職所得
◆残業代が変わる!来年4月から
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◆2022年8月の税務
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8月10日
●7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
8月31日
●6月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●12月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●個人事業者の消費税・地方消費税の中間申告
○個人事業税の納付(第1期分)(8月中において都道府県の条例で定める日)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)(8月中において市町村の条例で定める日)
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◆今年の改正税法 所得税・住民税と退職所得
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◆退職所得は合計所得金額を構成するが
令和2年分の所得税の申告から、基礎控除ほか人的控除、給与所得控除、公的年金等控除、青色申告控除などの改正で、10万円増減や段階的減額や適用除外に伴う所得計算の複雑化が顕著になりました。
合計所得金額の多寡はこの複雑化計算の要素の一つです。そして、所得税に於いては、退職所得はこの合計所得金額の構成要素ですが、住民税での通常の退職所得は、合計所得金額の構成要素ではなく、完全分離課税です。所得税と大きく異なります。
◆住民税では構成しないとの確認的改正
今年の住民税の税制改正では、公的年金等控除額の算定の基礎となる「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額」には、個人住民税における他の所得控除等と同様に、退職所得を含まない合計所得金額を用いること、と所得税と住民税での公的年金等所得の計算の不統一が明確にされ、令和3年分の所得税申告に係る令和4年分の住民税の公的年金等所得・税額計算から適用となっています。
◆配偶者等の退職所得情報の共有化
また、関係するのは、納税者本人の退職所得だけでなく、配偶者や扶養親族の受ける退職所得もです。
今年の税制改正では、退職所得を受給する同一生計配偶者と扶養親族の氏名住所等を「扶養控除等申告書」に記載する事とし、その記載を基に、給与支払者は、「給与支払報告書」の摘要欄に「(退)」を付けて移記し、市町村に提出する事とされました。
ここでは、所得税の課税処理を基に住民税の課税処理が完結しています。
◆本人情報は何故か徹底させない
でも、「確定申告の手引き」には、「一般的に、退職所得に係る所得税等は源泉徴収により課税が済むことになりますので、申告書の提出は不要です。」と書かれています。住民税の事を無視した記載です。
給与所得と退職所得だけの場合だと、年末調整関係申告書と退職所得受給申告書を提出するだけで手続き完了です。そして、これらの申告書は、宛名こそ税務署長や市町村長になっていますが、それらの機関に提出されることのない書類です。
また、法定調書としての「退職所得の源泉徴収票」は、市区町村にも提出されますが、作成範囲は法人の役員に限定です。
住民税の適正計算には除外すべき退職所得情報は不可欠なのに、なぜか不徹底です。
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◆残業代が変わる!来年4月から
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◆割増率が変わることをご存じですか?
現行では法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える時間外労働(法定時間外労働)に対して事業主は25%以上の率で計算した割増賃金を支払うこととなっています。
2023年4月から中小企業も月60時間を超える時間外労働は割増率が引き上げられます。すでに大企業は2010年4月から適用されていた割増率ですが、長らく猶予期間が適用されていた中小企業においても、いよいよ2023年4月からは月60時間超えの残業の割増率が現在の25%以上から50%以上に引き上げられます。
例えば時給1200円の方が残業すると時給は1500円ですが、その方が60時間以上の残業をすると時給1800円となります。60時間を超える時間外労働を深夜(22時から5時)に行う時は75%割増しになります。
恒常的に残業が60時間を超えている事業所は考えなくてはならないでしょう。
さらに、2022年4月からの残業代未払いに対して遡及支払いが2年から3年に延びていますので、残業が多い事業所は対策を考える必要があるでしょう。
◆今から対策をたてる
(1)月60時間を超える法定時間外労働を行った労働者の健康確保のため、引き上げ分の割増賃金の代わりに有給の代替休暇を付与することができます。
(2)労働時間の適正な現状把握をする。
勤怠管理システムの導入などで勤怠管理をする。長時間労働を是正管理する。
(3)リモートワークで管理者が現場にいない時は自己申告になりますが、自己申告とパソコンの使用時間が違っているか、上司管理職は労働時間の上限を設けず、法定労働時間の上限を超えているようであれば、習慣的に行っていないか注意をする必要があります。
(4)割増率の引き上げに併せて就業規則の変更が必要な時があります。
勤怠管理システム導入や就業規則改定費等に「働き方改革推進支援助成金」や「業務改善助成金」等、環境整備に必要な費用の一部が助成される制度があります。
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