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事務所だより 令和3年12月号

 会社は一定周期で好不況を繰り返します。会社を伸ばす経営者は、仕事に信念を持って日頃からメンタルを鍛え、 環境の変化に対応できるように心掛け、自己資本比率を高め、手元資金を増やすことを常に意識しています。
 少し経営が軌道に乗っただけで、分不相応な高級車を買ったり、飲み歩いて散財して周りにいい格好をしたがる人や、 普段は明るく元気なのに、業績が悪化すると精神的に参って経営意欲を失う人は会社をだめにします。

=-=-= 目次 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆2021年12月の税務
◆M&A事業承継・引継ぎ補助金
◆生命保険金の相続税申告

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◆2021年12月の税務
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12月10日
●11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収税額(当年6月〜11月分)の納付

翌年1月4日
●10月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●4月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分) <消費税・地方消費税>

○給与所得者の保険料控除申告書・配偶者控除等申告書・住宅借入金等特別控除申告書の提出(本年最後の給与の支払を受ける日の前日)
○給与所得の年末調整(本年最後の給与の支払をするとき)
○固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付(12月中において市町村の条例で定める日)


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◆M&A事業承継・引継ぎ補助金
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◆今年の事業承継・引継ぎ補助金の公募
 経済産業省は、9月30日に「事業承継・引継ぎ補助金」の公募を開始しました。
 この補助金は、事業承継やM&A(事業再編・事業統合等経営資源を引き継いで行う創業を含む) を契機とした経営革新等への挑戦者や、 専門家を活用してM&Aによる第3者経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を資金的に支援するものです。

◆資金支援の内容
 補助金は、先の「経営革新」と「専門家活用」に分かれています。
 経営革新(経営者交代型、事業再編・事業統合等)に於ける経費(設備投資費用、 人件費、店舗・事務所の改築工事費用等)に対しては、補助率50%、補助上限額250〜500万円 (別途廃業を伴う上乗せ額200万円)で、補助交付されます。

 専門家活用(M&Aによる経営資源の譲渡・譲受)に於けるM&A支援業者に支払う手数料やデューデリジェンスにかかる費用等に対しては、 補助率50%、補助上限額250万円(別途廃業を伴う上乗せ額200万円)で、補助交付されます。

◆今年の公募の特殊なところ
 今年から、登録M&A支援機関という制度が創られたことにより、M&Aでの専門家(FA・仲介業者) に支払う手数料は、登録M&A支援機関でなければ、補助金の交付の対象にならないことになりました。
 なお、原則として常時使用する従業員1 名以上の引継ぎが行われていないと、要件不充足となります。
 これ以外のデューデリ等の経費については、申請して事務局に認められることが前提で補助対象となります。
 それから、相見積もりの要求がうるさいことも留意点です。

◆申請と決定のタイミング重要
 また、タイミングも大事で、事業承継・引継ぎ補助金の交付申請をして、交付決定された後に、 補助金に係る契約をしたり、発注をしたりしなければなりません。  交付決定より前に、事前着手してしまったものは、交付対象外になります。

◆電子申請のみの受付
 申請は、経済産業省が運営する補助金の電子申請システムを利用しての電子申請が必要となります。
また、その前提として、gBizIDの取得が必要です。


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◆生命保険金の相続税申告
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 生命保険金は、相続に際して節税商品や納税資金として利用されますが、うっかりして相続税の申告が必要なことに気付かないまま、 税務調査で申告漏れを指摘される事例が今年に入って増えています。
 多くは納税者の誤解や失念、税理士への事前説明が漏れたことによるものですが、 税務署に隠蔽仮装と指摘されて思わぬ税負担を求められることがあるので注意が必要です。

◆生命保険金は相続財産ではない
 生命保険金は相続によって被相続人から承継されるものではなく、保険金受取人の固有の財産であるため、 遺産分割の対象とはなりません。
 また、被相続人が生前、相続人に贈与した生計の資本、養子縁組や婚姻のための贈与(特別受益)にも該当しないため、  生命保険金は相続税の申告対象にはならないと思うかもしれません。

◆相続税では相続財産とみなして課税される
 しかし、相続税では被相続人が保険料を負担した生命保険金も申告対象となります。
 民法上の相続財産ではありませんが、経済実質的には、被相続人の死亡によって財産を取得するので、 相続財産又は遺贈財産とみなして相続税が課税されます。
 その際、法定相続人1人当たり500万円の非課税措置があるので、限度額を超える部分のみの課税で済みますが、 申告が必要なことに変わりはありません。

 なお、生命保険金は特定の相続人だけが取得するので遺産分割で考慮すべきか気になるところですが、 判例には保険金の額、遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人に対する介護の度合い、 各相続人の生活実態などの諸事情を総合考慮して相続人の間で不公平が是認できないほどに著しい特段の事情がある場合は、 特別受益に準じて持戻しの対象と解するのが相当であると判示したものがあります。

◆申告漏れとならないように
 税務調査で生命保険金の申告漏れが判明した場合、不足税額に加え、延滞税(納付遅延期間の利子に相当) や過少申告加算税(10%又は15%)が課されます。
また申告漏れが隠蔽仮装であると認定された場合は、過少申告加算税に代えて重加算税(35%又は45%)が課され、 税負担がさらに重くなります。相続人に生命保険金を受け取る人がいるときは、 必ず契約内容を見て課税上の取扱いの確認を受け、申告漏れとならないようにしましょう。




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税理士法人 T&Mソリューション